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2023.06.09

誰もが「おひとりさま」になりうる100年時代、孤独のたしなみ方は?

おひとりさまは市民権を得たのか?

ソロ活・おひとりさまという言葉も定着し、現在は3世帯に1世帯が1人暮らしと言われ、未婚率も伸び続けている中、一見すると「おひとりさま」は市民権を得られつつあるように見えます。しかし実態は、「おひとりさまは寂しい」という風潮がまだまだ拭えていないようです。

20代~80代男女の方に調査をしてみると、7割近くの人が、自分がおひとりさまになることを不安視している実態が見えてきました。

【おひとりさまになることへの不安は?】

おひとりさまを謳歌できると幸福度は上がる!?

その一方で、ひとり時間を楽しめる人は、ひとり時間が苦手な人に比べ、幸福度が圧倒的に高いこともわかっています。

【ひとり時間を楽しめる人の幸福度は?】

では、どうしたら「ひとりでいること」を謳歌し、「おひとりさまは不安・寂しい」の呪縛から解放することができるのでしょうか?

孤独には、積極的孤独と消極的孤独がある!?

そもそも、日本ではネガティブなイメージが先行する「孤独」。しかし、英語では、ソリテュードとロンリネスという二つの単語で、使い分けられているそうです。

「孤独力-人間を成熟されるひとりの時間」の著者である津田和壽澄氏も、自ら選び取ったひとりの時間を「積極的孤独(ソリテュード)」、社会との関係性を断ち切られた状況に置かれることを「消極的孤独(ロンリネス)」と呼んで、区別しています。

「ソリテュードは心に余白をつくり自信を生み、ロンリネスは文字通りの寂しさや辛さを生む、という真逆の作用を持つのに、日本では、この二つの側面がごっちゃになっている」と指摘します。

つまり、日本では長らく「孤独」の意味が履き違えられてしまっていたのです。誰もがおひとりさまになりうる100年時代だからこそ、この誤解を解き、「ひとりでいること」に積極的な意味を見出すソリテュードモードをインストールすることが、第一歩なのです。孤独は、克服するものではなく、たしなむものだったのです。

積極的孤独は、どうやって手に入れる!?

そこで、積極的孤独スキルを探るべく、「おひとりさま名手」の方々に、ひとり時間について話を聴いてみたところ、日々のちょっとした処世術が見えてきました。 例えば、「大人の放課後」と称して退社後の時間に特別感を持たせたり、この時間は気兼ねゼロ時間と決めて、周りをシャットアウトして「チルタイム」に没頭したり、人と会話しない分、「五感」を目いっぱい使って食を楽しんだり。

今目の前にあるささやかな現実に全集中することで、解放感を得られ、心地よい孤独時間を過ごせるようになっています。

「自分のご機嫌取りは自分で責任を持つ」にも近いこの感覚こそが、積極的孤独モードをオンにしているのかもしれません。あなたも人生100年時代を前に、積極的孤独スキルを高め、心地よい孤独をたしなんでみませんか?

【調査概要】

■調査タイトル:100年生活のおひとりさまに関する調査

■調査対象者:100年生活者研究所 LINE会員(20~80代男女) 766名

■調査手法:LINEによるアンケート調査

■調査期間:2023年5月

プロフィール
研究員
山縣 由紀子
事業会社での法務・事業戦略経験を経て、2019年にキャリアチェンジ。現在は、ダイレクト領域のマーケティング業務に従事。
皆様の声をてがかりに、日常をちょこっと前向きに、生きやすくするためのヒントを模索していきます。