幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所

文字サイズ
標準
メニュー
プレスリリース

国際幸福デーを前に、【100年生活者調査~2024年国際比較編~】を実施

2024.03.18

幸福度も「100歳まで生きたい」気持ちも、6カ国で日本が最下位。人生100年時代の長寿人生のポジティブな側面への注目が向上の鍵

 株式会社Hakuhodo DY Matrix(本社:東京都港区、代表取締役社長:奥井 隆之、以下Hakuhodo DY Matrix)のシンクタンク「100年生活者研究所」は、日本国内で20~80代の男女2800名、海外(アメリカ、フィンランド、中国、韓国、ドイツ)で20~70代の男女を対象とした合計2840名に、人生100年時代に対する意識調査を実施しました。

 3月20日の「国際幸福デー」に合わせ、当研究所は100歳まで生きたい日本人の割合について調べています。2024年も調査を実施したところ、2023年と同様に3割未満となり、幸福度も含めて海外5か国(アメリカ、中国、フィンランド、韓国、ドイツ)と比較しても最も低い結果となりました。その要因として、日本人は100歳まで生きることに関して、「迷惑をかけたくない」「大変そうに見える」などネガティブな面のみに注目していることが判明しました。

 一方、100歳まで生きたいと考えている人に限っては、他国と同じようにポジティブに捉えていました。このことから、人生100年時代のリスクに目を向けるのではなく、ポジティブな側面を周知することで、日本人の100歳まで生きたい気持ちを向上させる可能性が示唆されました。

【100年生活者調査~国際比較編~】サマリー

  1. 「100歳まで生きたい」と感じる日本人は昨年度と同様に3割未満で、対象6カ国で最も低かった

  2. 100歳まで生きることについて、海外5か国は「不安が増える」といったリスク面だけでなく、「幸せそうに見える」などポジティブな側面にも注目していた

  3. 日本人はポジティブな側面に目を向ける割合が低かった一方、100歳まで生きたい人に限っては前向きに捉えていた

  4. 幸福度も6カ国中で最も低く、GDPで抜かれたドイツに幸福度でも及ばない結果となった

  5. このことから、人生100年時代のリスクに焦点を当てるのではなく、ポジティブな側面を周知することにより、日本人の100歳まで生きたい気持ちを向上させる可能性がある

【調査結果に関する研究員コメント:田中 卓】

 前回調査に続いて今回も、「100歳まで生きたい」という気持ちと幸福度は、日本が最も低いという結果になりました。「100歳までの人生の考え方」をみると、日本だけが人生100年時代のポジティブな側面を見ていないことがはっきりしました。他の国では、人生100年時代に対する不安や大変さといったネガティブな側面がありつつも、同時にポジティブな側面にも意識が向けられています。日本でも「100歳まで生きたい」人は、ポジティブな側面を見ているので、例えば「長生きすると不安も増えるけれど、チャンスも増える」というような、100歳までの人生のポジティブな側面に対する社会的な注目度を高めていくことがこれからの課題だと思います。

 日本人の3人に2人が「生まれ変わっても日本がよい」と答えた背景には、日本人の幸福観があると考えています。京都大学こころの未来研究センターの内田由紀子さんの『これからの幸福について』1)によると、「共同体を幸福の起点とし、利他性や協調性を最重視する」幸福観があり、日本もこの考え方に近いようです。「共同体」や「場」が幸福の起点となるからこそ、先行きの見通しが厳しくても共同体と離れるという選択をせず、みんなで幸せになりたいと考える日本人が多いのではないでしょうか。そのため、日本でない国に生まれ変わるのはという選択肢は選ばれず、「生まれ変わっても日本」が高くなっているのかもしれません。

今回の調査結果を見て、幸福度を高めて100年人生に前向きな人を増やすためには「自分の幸せを考えること」と同じぐらい「周りの人の幸せを感じやすくすること」が大切だと考えています。「共同体を大切」にして「みんなの役にたちたい」と考える日本の人たちの特徴を踏まえると、「周りの人は幸せだ」と感じた人の方が、その人自身も幸せになる可能性が高まるのではないでしょうか。

1)内田由紀子著.これからの幸福について 文化的幸福観のすすめ.新曜社,2020,

Hakuhodo DY Matrixは「100年生活者を見つめ、人生を通してWell-beingであり続けられる理想社会の実現に貢献する」というミッションの下、人生100年時代の幸せをテーマにした調査リリースを発信・提案してまいります。

詳しくはこちらをご覧ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000117890.html