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2023.05.12

「人づきあい」の進化は100年生活をもっと豊かに?!

あなたは、日常生活の中で人間関係の希薄化を感じることはありますか? 近年、テクノロジーやスマートフォンの進歩と普及、家族構成の変化、地理的な距離など、複数の要因により対面コミュニケーションの機会が減り、人間関係が希薄になりつつあります。また、コロナ禍により社会活動が制限され、さらに人付き合いにおける環境は大きく変わりました。

実際に私たちが2023年4月に実施した調査では、65%の人が最近3年間で、友人や仲間とのつきあいが減っていると感じていることが、わかりました。

【人づきあいの変化】

一般的に人間のウェルビーイングは対人関係や人間関係によっても左右されると言われており、「人間関係の希薄化」は昨今問題視されています。そして100年生活時代になると、長期間にわたる生涯設計や、高齢化社会での介護の問題など、個人や社会の課題に影響を与えるため、より深刻な問題となることが予想できます。 先ほどの調査においても、「100年生活時代」と聞いた時に、約3割の人が「人間関係が希薄になること」に対して不安を持っていることも分かりました。

【100年生活の不安】

そこで、少しでもその不安をなくすため、新たな「人づきあい」の可能性を探ってみました。 新たに友人や仲間をつくるとしたら、どこでつくりたいと思うかという質問に対しての回答をまとめたのが下のグラフです。

【友人や仲間づくりの場所】

学校や職場、趣味の場などは想像しやすい接点ですが、「SNS」のスコアがやや高く、新たな人づきあいの兆しを感じます。例えばSNS上では、趣味や興味を共有するグループやコミュニティに参加することで物理的な距離を超え、多様な人々とつながり、交流を深めることができます。

また、まだ少数派であるものの、「シェアハウス」という接点で最近面白い事例があったため、ご紹介します。 日本では主に民間企業が主導する「シェアハウス」という複数の個人が共同生活を送る住居が昨今見られますが、私が2月に訪れたスペイン・バルセロナには、バルセロナ市の支援を受けて開発された「コ・ハウジング」という形態が見られます。 そこでは複数の個人や、時には家族単位が集まり、共同生活を送ります。不動産価格やリビングコストが高騰する中、屋上庭園・コミュニティガーデンなどの空間や洗濯乾燥機などの家電製品を共用することでコストを抑えながら、共同生活を送ることでのコミュニティ意識の醸成というメリットがあり、バルセロナでは上昇中のトレンドだそうです。 このような住居形態では異文化交流や新たなつながりの創出も期待できそうですね。

いかがでしょうか。上記の事例のように、人間関係が希薄化する現代社会において、「人づきあい」の接点を広げることはコミュニケーションの促進や交流の場を広げることにも繋がります。 それによって、100年生活はもっと豊かになりうるのではないでしょうか。

[本文中の調査の概要]

■調査名   :100年生活の仲間についての調査

■調査対象者 :100年生活者研究所 LINE会員 670名

■調査手法  :LINEによるアンケート調査

■調査期間  :2023年 4月

プロフィール
研究員
須藤 三貴
香港生まれ東京育ち。2018年より外資系エージェンシーにてストラテジックプラニングの経験を積み、2022年博報堂入社と同時にSIGNING出向。
世界中津々浦々から100年生活の幸福の兆しを探します。