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2024.03.29

「出会う」よりも「再会する」ほうが幸せになれるらしい

「新しい出会い」作っていますか?

こんにちは。

出会いと別れの季節、春ですね。

人との出会いに限らず、これまでと違う街に引っ越したり、新たな趣味を見つけたりする方もいるでしょう。今回はそんな「出会い」に関する記事です。

幸福論としてよく聞く「新たな人や物に積極的に出会ったほうがいい」「毎日ひとつ、新しいことをしよう」といった話。確かに大事だとは思うけど、誰にでも簡単にできる生き方ではない、とも思ってしまいませんか。

実際、どれほどの人が「新しい出会い」が人生100年時代において重要だと考えているのでしょうか。

【出会いの重要度】

なんと、9割近くの方が「重要」と答えています。

では、皆さん本当に「新しい出会い」を作っているのでしょうか?

【出会いの実践度】

4割以上もの人が実際には機会を「作っていない」「ほとんど作っていない」と回答しました。

「新しい出会い」とは、意識している人でも簡単には手に入らないものなのですね。

その理由も聞いてみました。

【実践できない理由(新しい出会いを「作れていない」選択者ベース)】

新しい出会いを作れない最大の理由は、「お金がない(34.7%)」でも「時間がない(33.1%)」でもなく「何をしたらよいかわからないから(42.6%)」でした。

人生100年時代、ほとんどの人にとって「新しい出会い」は欠かせないこと。

しかし、出会いを作る方法がわからずにあきらめてしまう場合もあることがわかりました。

「出会い」ではなく「再会」ならできるかも?

ところが今回のアンケートでは、「新しい出会い」よりもさらに幸福を得られるにもかかわらず、より簡単に取り組める行動があることがわかりました。それは「大切な存在との再会」です。

離れていた友達、昔住んでいた街、ハマっていた趣味など、だれしもかつて大切にしていた物事があるはずです。それらと「再会」することでも、人は幸福になることができるようなのです。

【出会いと再会の幸福度比較】

「出会い」よりも「再会」の方が幸せだと考える人は61.1%もいます。

【出会いと再会の取り組みやすさ比較(新しい出会いを「作れていない」選択者ベース)】

さらに、新しい出会いを「作っていない」と回答した方においては、

61.7%もの方が「出会い」よりも「再会」の方が取り組みやすいと考えています。

たしかに、昔すでにやっていた・知っていた物事なら「何をしたらよいかわからない」状態にはなりにくいですよね。

みなさんの「再会」経験

アンケートでは、みなさんの最近の「再会」経験について聞いてみました。

【再会したモノや人】

「再会」の経験が「特にない」方は25.1%です。残りの7割以上は、大切な存在と再会していることになります。

再会の内容として最も多いのは「友人」ですが、「アートや映画、音楽、本」、「場所」「食べ物」など、人間以外の趣味や楽しみが続きます。

さらに具体的な内容を、自由記述で深掘りしてみました。

  • 10年ぶりに元恋人に偶然街で出逢って食事しました(20代 女性)

  • アルバムやPCに保存したものは開いた時だけ再会出来ますが、デジタルフォトのスイッチを入れておけば、昔の一コマ一コマが走馬灯のように「再会」の機会を与えてくれています。(70代 男性)

  • たぶん70年ぶりに駄菓子屋を覗いてみたら懐かしい駄菓子を見つけた。同時にダメという親の顔も思い出した。(70代 女性)

  • コロナ禍以降、初めて、ジェットタオルが使えたときは、本当に懐かしかったです。(30代女性)

  • 息子が幼稚園で作ってきた「石のお雛さま」「5年前に講習会で作ったペーパーテープで作った紙のお雛さま」。それから9年前に亡き母がデイサービスで作ってきたお雛さまです。それらに再会して、とても懐かしかったです。(70代 女性)

  • 30代後半の頃、週1度のボランティアに汗を流すことが私のライフワークでしたが、ここ10年ほど仕事が多忙を極めていたせいもあり、休止しておりました。先日の能登半島地震にて被災された地域の皆様の困窮を拝見するにつけ、いてもたってもいられず、災害ボランティアに参加させていただきました。短い期間ではありましたが、普段の仕事から得られない、大きな使命感や達成感を強く感じることができ、10年前と変わらない熱い気持ちを再び感じることができました!(40代 男性)

  • 1970年代の少女マンガ。今は古いマンガもネットで読めて便利。今読んで面白いか不安だったけどやはり今でも面白い。そして昔何度も読むほど好きだった漫画の作者が若くして亡くなった事を新たに知った。(50代 女性)

いかがでしょうか。皆さんの自由回答を見ていると、「再会」を通して新たな何かと「出会っている」ようにも見えてきます。「再会」も「出会い」も、どちらも新しい発見に満ちた行為という意味では、共通しているのかもしれません。

記事をご覧の方も、再会できて嬉しかったことや、これから再会したい何かが浮かんできたのではないでしょうか。「再会」の機会を意識していくつも作る、というのも、人生100年時代らしい新たなライフスタイルかもしれません。

例えば、ちょっとスマホの昔の写真をのぞいてみるだけでも、小さな幸せにつながることでしょう。そこから久しぶりに会いたい人や、行きたい場所などがあふれてくる可能性もあります。

行動に移せば、さらに新たな出会いにまで発展する未来も見えてきます。

「再会」を楽しんで、豊かな100年人生を!

【調査概要】

■調査名 :再会と幸福度の関係についての調査

■調査対象者 :100年生活者研究所 LINE会員 20~80代男女 881名

■調査手法 :LINEによるアンケート調査

■調査日時 :2024年12月

プロフィール
研究員
長坂 観海
2022年大広に入社し、HDYMatrixへ出向。以来マーケティングプランニング業務に従事。祖父母と暮らした5年間に、間近で100年人生の光と陰を見たことで興味を持ちました。登山好き研究員として、人と自然が支え合う人生100年時代を作りたいと思っています。