2023.03.17

今を楽しむ5人のシニア世代に学ぶ、ウェルビーイングに生きていくマインドセットとは?

時には素直に「やってみたい」という欲求に従ってみては?
心や体だけでなく、社会的にも満たされた状態を意味するウェルビーイング。人生100年時代ともなれば、いわゆる「定年後の時間」も増えていくはず。何歳になってもウェルビーイングを実感して生きていくには、どのような「マインドセット」が必要なのか。多様な人生を送る5名を、本人の言葉とともにご紹介します。

要約すると

  • 何歳になっても遅いことはない。やりたいことをやる。生き生きとしている人には、そんなポジティブさがあった

年齢はただの数字だ。(フィットネスインストラクター・瀧島未香さん)

昭和6年生まれの91歳ながら、現役のフィットネスインストラクターとして活動しているタキミカさんこと、瀧島未香さん。YouTubeやSNSを通じて、キレイな姿勢を作る体幹トレーニング「タキミカ体操」を発信している。そんな瀧島さんがフィットネスに目覚めたのは、なんと65歳のとき。家族から「太ったね」と言われ、体重を測ったら15kg増加していたそう。そこからジム通いをはじめ、時間をかけて元の体型を取り戻した瀧島さん。年齢はただの数字だ、とトレーニングを重ね、87歳で日本最高齢インストラクターとなりました。

「私たちのココロとカラダは一生進化し続けることができます。

『もう歳だから』を言い訳にずっと『停止』していたココロのスイッチを

フィットネスの力で『再生』しましょう」

(出典:株式会社パワーエイジング

目標に向かって努力することが、生きていくことの基本。(世界最高齢のアイアンマン・稲田弘さん) 

トライアスロンの中でも、スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmで競うアイアンマンレース。稲田弘さんは、「世界一過酷なトライアスロン」と言われるレースに90歳で挑んでいる世界最高齢のアイアンマン。しかも水泳を始めたのが60歳、トライアスロン初挑戦が70歳というのだから驚きです。何度も挫折を味わい、辞めようと思ったこともあったそうですが、たくさんの人からの応援を原動力に、今もなお挑戦を続けています。

「何か目標を持つ。それに向かって何とか努力していくということが、生きていくことの基本だと思う。

(中略)やれたらいいなと思うことをなんでもやってみることですね。

やればできてうれしくなる。

(中略)

挫折することはあるかもしれないけど、とにかくやってみることですね」

(出典:八千代市, 2021, 世界最高齢のアイアンマン稲田弘さんへのインタビュー

年齢なんて気にせずやってみればいい。(中華料理店女将にしてDJ、岩室純子さん)

87歳の岩室純子さんは、東京・高田馬場の老舗中華料理店「餃子荘ムロ」の名物女将。でもそれは昼の顔。閉店後の深夜にはクラブで月に1〜2回、DJ SUMIROCKとしてターンテーブルを回しています。きっかけは、岩室さんの家に下宿していたフランス人との出会い。その人が主催したDJイベントでターンテーブルに触れ、ハマっていったそう。その後、77歳でDJスクールに通い、クラブデビューへ。

「人生なんてやりたいことをやりきるには短過ぎる。だから、もし何かやりたいことがあるなら年齢なんて気にせずやってみればいいと思います。それが、法に触れることと人に迷惑をかけることでないんなら、やっちゃいけない理由なんてない。」

(出典:女の転職type, 2016, アジア最高齢の女性DJがすごい!「結婚はしない。子どももいらない。やりたいことをやる」我が道を生きた81年/餃子壮ムロ店主・DJ SUMIROCK

いくつになってもなりたい自分になれる。(ポールダンサー&デジタルアーティスト・ashidayさん)

バラエティ番組で「ポールダンスおじさん」として取り上げられたこともある74歳のダンサー、ashidayさん。ポールダンスを始めたのは65歳のとき。表現の豊かさやセクシーさに惹かれ、今ではクラブのショーや発表会でポールダンスを披露するほどの腕前に。そして、ashidayさんのもう一つの肩書きは、デジタルアーティスト。ポールダンスに出会う前、人が描き切れない精妙な筆遣いができるデジタルアートに惚れ、はじめて出展した作品がいきなり入選。しかも定年まで普通のサラリーマンをされていて、ポールダンス、デジタルアート、どちらも退職後に始めたものだそう。

「ポールダンサーとしてはやっぱり、ポールダンスをテーマとして

アートの個展をやってみたいと企画を立てています」

(出典:シニアモンスターズ, 2018, 70歳のポールダンサー、還暦を過ぎてなお新しい分野に挑戦することを恐れない、彼の次のチャレンジは…〜シニアモンスターズインタビューNO.4〜

変わることをおそれずに、楽しむこと。(プログラマー・若宮正子さん)

81歳で開発したゲームアプリ「hinadan」がマイクロソフトやアップルなどの目に止まり、一躍脚光を浴びた世界最高齢のアプリ開発者の若宮正子さん。内閣府「人生100年時代構想会議」のメンバーとしても知られています。若宮さんがパソコンと出会ったのは58歳のころ。一般的にインターネットが普及する前で、いわゆるパソコン通信の時代だったそう。インターネットが普及すると自身のサイトを開設。実母の介護をしながら行っていたネットの交流は、自分を広い世界に連れ出してくれる翼のような存在だったと言う。そして、80歳を過ぎると独学でプログラミングを学び、シニアにも面白いスマートフォンゲームを届けたいと「hinadan」を開発。時代の変化に合わせるように、自身をアップデートしながら、人生を切り拓いていきました。

「ロボットと一緒に生活する日がくるなんて、ワクワクしませんか?

変わることをおそれずに、楽しむこと。

積極的に学ぼうとすること。

それが、これからのIT社会に適応して豊かに生きる秘訣です」

(出典:若宮正子 著『独学のススメ 頑張らない!「定年後」の学び方10か条』, 2019)

https://toyokeizai.net/articles/-/282598

いくつになっても挑戦を恐れず、進化をいとわないシニアたち。彼・彼女たちのポジティブな考え方や生き方は、人生を通してウェルビーイングであり続けられるためのヒントとなりそうです。

画像素材:PIXTA

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Well-being Matrix編集部
人生100年時代の"しあわせのヒント"を発信する編集部。