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2023.07.07

人生100年時代。圧倒的に増えた自分の時間は人生を豊かに!

定年後の時間が圧倒的に長くなった人生100年時代。

人生80年時代が言われ始めた頃までは、定年というと「年金をもらってのんびり暮らす」と多くの方がイメージしていました。それは、そもそもの定年制が導入された頃の構造が図に示したように、まさに終身雇用だったからこそ。ところが、人生100年時代と言われる現在、定年後の時間がどんどん増えて30年以上も…という方もいらっしゃいます。

長くなったこの定年後の時間、人々の生活はどのように変化しているのでしょうか。

「教育→仕事→老後」という画一的だった人生80年時代は、やるべき「教育→仕事」に多くの時間を割かれたことから、「老後」は年金をもらってのんびり暮らそうとイメージしたのではないでしょうか。

人生100年時代の現在、すでにこの構造が破綻をしているにもかかわらず、新しいロールモデルが目の前に見えていないことで、不安を感じている方が多いという状態かと思います。

自分のために使える時間は、人生を豊かに。

総務省統計局の社会生活基本調査によると、人生100年時代と言われる現在の生活時間は、50代になると2次活動(家事や仕事)の時間が徐々に短くなり、代わりに3次活動(余暇時間)が徐々に長くなり、65歳~69歳以降で逆転し増加を続けます。この余暇時間とは、すなわち「自分のために使える時間」です。

そして100年生活者研究所の今回のアンケートの結果から、この「自分のために使える時間」は「人生を豊かにする」と答えた人が76%。「やや人生を豊かにする」を加えると98%もの人が自分のために使える時間と豊かさは関係が深いと感じていることがわかりました。

【自分のために使う時間と人生の豊かさ】

豊かな人生のための時間の使い方は?

では、50代を過ぎた人は、長くなった「自分のために使える時間」をどのように使っているのでしょうか。

100年生活者研究所の拠点となる巣鴨のカフェのお客様から、ステキな日常をたくさんお話しいただきました。

・バスや電車を使い30分程度の場所に装って出かける。おしゃれが好きで、すれ違う方のコーディネートが気になる。趣味は絵手紙とペン字。ペン字は集中して背筋を伸ばすので、きちっとしていられる。頑張り過ぎずに頑張るのが秘訣。(80代女性)

・代々木公園を1周、毎日6,000歩ぐらい歩くようにしている。仕事時代の仲間や学生時代の友人と定期的に飲み会をしている。競馬やスポーツ観戦が好きで日々の生活が忙しく不満はない。(70代男性)

・今までやりたいことをやってきて知らないうちに歳をとった。定年はラッキー。今は質素に年金の範囲で。午前はラジオで英語講座を聴き、ラジオ体操をした後、能の練習。午後は必ず外に出て映画や美術館、デパートで買い物など1日15,000歩ぐらい歩いている。(70代女性)

そのほかにも、「足腰を鍛えるために日光浴や森林浴が日課」と話す方や、「今日もありがとう」ととげぬき地蔵尊にお参りをする方、毎月3回ある巣鴨地蔵通り商店街の縁日を特別な日として巣鴨を訪れる方など、無理をせず、頑張り過ぎず、でも好きなことを大切にして、心も身体も自由に「自分のための時間」をつくりだしている方々に出会いました。

そのお客さまたちは、「将来の不安を考えても仕方がない」「楽しく後悔の無い毎日を生きたい」と、今を大切に過ごしている方が多いことにも気づかされました。

手に入れたのは融通無碍な豊かな日々

人生100年時代、長くなった人生で得られたものは、たくさんの「自分のための時間」でした。それは「老後」という固定観念から解放されて、融通無碍(“ゆうずうむげ”とは、何物にもとらわれず自由でのびのびしていること)な自分の時間を創り出し、人生を豊かに彩る日々を手に入れたと言って良いのではないでしょうか。

人生100年時代のロールモデルは既に近くにいたのです。

研究所のカフェで出会ったお客様方は今の時間を大切に、日々の健康に配慮しながら、小さな喜びを見つけ、楽しんでいる。

そこでわたしは「豊か」な人生そのものをお話しいただいたと実感するのです。

【調査概要】

■調査名 :自分のために使う時間と豊かさに関する調査

■調査対象者:100年生活者研究所 LINE会員(20~80代男女) 693名

■調査手法 :LINEによるアンケート調査

■調査期間 :2023年6月

プロフィール
研究員
大原 美弥子
社会人40年、​前半をグラフィックデザイナー、後半をプロデューサーとしてコミュニケーションに携わる仕事をしてきました。​
“100年生活を楽しむ” ための様々な活動の紹介・提案をすることで、社会に良い兆しが生まれる手助けができたらと考えています。