2024.03.29

Ouraリング、BAKUNE、Active Sleep BED 注目のスリープテックでWell-beingを高めよう!

WHOの定義では、Well-beingは「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」とされています。

そして、それらを満たすために、睡眠が重要な役割を果たしていることに、疑いの余地はないでしょう。十分な睡眠を取ることで体が休まり、逆に睡眠時間が足りないと、精神的に不安定になったり、良いパフォーマンスが発揮できなかったりします。Well-beingになるためには、睡眠は欠かせない要素です。

とはいえ、日本人は睡眠時間が短いとされ、悩んでいる人も多いことでしょう。今回は、そんな睡眠に役立つ「スリープテック」をご紹介します。

日本人の睡眠時間は短い! コロナ禍を機に注目されているスリープテック 

現在さまざまな研究で、睡眠が短すぎたり長すぎたりすると、病気のリスクが高まると考えられています。しかし、2019年の国民健康・栄養調査では、男性の37.5%、女性の40.6%の1日の平均睡眠時間が6時間未満という結果が出ています。 

日本人の睡眠時間は、他の国と比べて短い傾向にあります。経済協力開発機構(OECD)の2021年の調査によると、日本人の1日あたりの睡眠時間は7時間22分。これは、各国平均の8時間28分より1時間以上短く、調査対象国33カ国中の最下位です。 

では、どれくらいの睡眠時間が適切なのでしょうか。これには個人差がありますが、一般的には6~9時間程度が目安とされています。ただし、この時間に当てはまっていればいいというものではなりません。睡眠は時間の長さだけでなく、質も重要です。睡眠の質を高めるのに、一役買ってくれるのがスリープテックです。 

スリープテックとは、睡眠の質や量を向上させるための技術や製品のこと。睡眠時の生体データを測定したり、音楽や香りなどでリラックス効果を高めたりするほか、睡眠のサイクルや深さを調整したりするものなどが登場しています。 

特に近年は、コロナ禍によるストレスや不規則な生活習慣、在宅勤務やオンライン学習などで睡眠の質が低下したと感じている人も少なくなく、スリープテックへの注目度は上がっています。 

スリープテックの市場規模は、世界的に見てみると2021年には147億8,000万ドルで、2030年には612億ドルまで成長すると予測されています。日本の市場に目を向けても、睡眠改善に関するアプリやウェアラブルデバイス、マットレスや枕などの製品が多数登場。消費者の選択肢も広がっているのです。 

そこで今回は、着るだけ、寝るだけ、つけるだけ。簡単に取り入れることができる、3つのスリープテック商品をご紹介します。 

 

スタイリッシュな見た目で睡眠データを計測できる「Ouraリング」

睡眠時間や心拍数といった健康にまつわるデータを計測するデバイスといえば、Apple Watchをはじめとした腕時計型の製品が、数年前から普及しています。

その次に広がり始めているのが、指輪型デバイス。Ouraリングは、他の製品に先駆けて2013年に登場し、10年以上にわたる研究・製品開発により、今では医療製品並みの健康管理ができるスマートリングとなっています。

最適な計測精度のために、人差し指に装着するのが推奨

使用方法は、専用アプリをスマートフォンにインストールしたうえで、指輪型デバイスを身に付けるだけ。太めのリングにしては、かなり軽量なことに驚きました。

計測できるのは、心拍変動や心拍数、体表温度など。これらのデータをもとに、睡眠、コンディション、アクティビティやストレス状態などがアプリ上に表示してくれます。

気になる電池の持ちは、最大4〜5日はもつということで、こまめに充電せずとも使い続けられる点も魅力です。身に付けたまま、お風呂に入ることも可能。本当にいつでもどこでも付け続けられるデバイスです。

注意したいのはサイズ。OuraリングPR担当によると、「最適なパフォーマンスと精度を得るために、適切なサイジングをし、人差し指に着けることをお勧めしています。リングの内側にあるセンサーが、常に皮膚と接触することが重要であり、『Ouraリング』がぴったりとフィットすることで、LEDセンサーと皮膚の下の動脈との間に隙間がなくなり、より精度の高い計測をすることができます」とのこと。

実際に試用した際に特に驚いたのが、「よく眠れなかった」と感じたときに、ちゃんと睡眠のスコアが低く表示されたこと。なんとなく感じていたことを、明確な数字で提示されると、「何が原因だったのか」を考えるきっかけにもつながりました。

普段のスコア(左)と寝れなかったと感じた日のスコア(右)で明確に差が出ることに驚いた。ちなみに、筆者は深酒するとスコアがガクンと落ちることが判明

アプリでは、睡眠中の心拍数など普段意識することのないスコアもグラフで目にすることができます。

ある日の睡眠データ。睡眠時間、レム・ノンレム睡眠などの内訳、睡眠時の呼吸、心拍数といったデータが記録されている

カラー展開も豊富で、ファッションアイテムとしても魅力的なOuraリング。開発するなかでのこだわりも聞きました。

「新色の『ブラッシュドチタン』は、その名を表すブラッシング技術によって、控えめで洗練されたベルベットのような外観と手触りを生み出しています。そして、窒化クロムコーティングを施すことにより、見る角度によって異なる光を反射するため、さりげない輝きが人目を引くモダンなデザインに仕上がっています」

さらには、デザインだけでなく日々の使用を考え、耐久性にも気をつけているとのこと。「医療器具や航空宇宙産業で使われているものと同じチタン素材を採用し、耐久性が向上しています」とも。

ファッションとしても身に付けつつ、睡眠管理にもつながる。一石二鳥のアイテムだと感じました。

着て寝るだけで疲労回復が期待できる! 特殊繊維を使ったリカバリーウェア「BAKUNE」

着て寝るだけで、疲労回復が期待できる。夢のような話ですが、そんな夢を叶える商品がすでに登場しています。

コンディショニングブランドTENTIALが展開するリカバリーウェア「BAKUNE」は、特殊繊維を使い、遠赤外線の輻射により血行促進作用をもたらすパジャマです。なんと、累計50万枚も売れている人気商品だとか。

見た目は普通のパジャマ。生地の肌触りも良い

類似製品も多く販売されていましたが、厚生労働省が設けた新たな基準をクリアして残ったブランドはわずか。「BAKUNE」シリーズのウェアはそのような基準をクリアした「一般医療機器」です。安心して着ることができますね。

大きな特徴は、なんと言っても、着て寝るだけで疲労回復できる点。さらに、寝汗対策を意識し、吸水速乾性や通気性、体温調節も意識して作られています。

そして、何気なく着ていると気づかないのが、服のフォルムについての工夫です。

「寝返りをサポートするため、独自設計になっています。人間は寝ている間、平均20回程度寝返りを打つので、その動きをサポートするように、肩周りが緩やかな作りになっていたり、腕周りもつっぱらないような構造になっています」(TENTIAL広報担当)

比較的ゆったり着ても違和感ないつくりになっている

サイズは、フィットしていないと効果がないといったことはなく、自分好みのサイズ感でOK。また、何度洗濯しても効果を実感し続けられるそうです。

実際に着用した方からは、どのような声が寄せられているのでしょうか。

「寝つきが悪いという方から、『着ているだけですっと眠りにつけました』や『中途覚醒がなくなりました』という着心地に対する声がありました。利用者は30〜50代のお客様が中心ですが、更年期により寝付きが悪くなった方からも、睡眠環境が改善されましたという声をいただきました」

今回筆者が着用したスウェット生地以外にも、ダブルガーゼやメッシュ素材など多数の製品を展開しているため、お好みの生地のウェアを選ぶことができるのも、BAKUNEシリーズのウェアならではの魅力です。

寝ても疲れが取れないと悩んでいる人は、リカバリーウェア「BAKUNE」を着て寝てみると、睡眠環境の改善への第一歩につながるかもしれません。

平らではなく角度をつけて眠るのが新しい! 「Active Sleep BED」で快適な睡眠環境を

より良い睡眠のための寝具選びでは、寝具の硬さや快適さに意識が行きがちです。でも、寝るときの体の角度によって、寝付きやすくなることをご存じでしょうか。

パラマウントベッドが販売しているActive Sleep BEDは、眠りに入りやすい入眠角度を調節できるハイテクベッドです。しかも、体調の変化などでかわる硬さや柔らかさの好みも細やかに調整できます。さらには、テクノロジーを駆使して、睡眠状態も記録できるなど、睡眠まで管理してくれるという心強い製品なのです。

通常ベッドはフラットな状態になっています。眠りに入るときも、フラットな状態のままです。でも、少し角度を付けて眠ると呼吸しやすくなり、眠りに入りやすくなるのだそうです。

実際に体験すると、フラット時よりも、驚くほど呼吸が楽だった

「研究の結果からも、角度をつけて寝ると呼吸が楽になり、睡眠に良い影響を及ぼす可能性が高いことがわかり、製品化につながりました」(パラマウントベッド広報担当)

おすすめは10度ですが、こちらのベッドは30度までなら、好みに合わせて入眠角度が調節できます。眠りに落ちると自動でフラットな状態へ戻してくれるので、寝返りもうちやすく、そのままゆったりと寝ることができます。

さらに、テレビを見たり、読書したりとベッドの上で過ごす際は、手元のリモコンやアプリで簡単にお好みの角度へ変更できます。

アプリでは、ベッドの角度を自由に変更できるだけでなく、「読書」「食事」といった利用シーンに応じた調整も可能

しかも、上半身だけでなく、足の部分も変えることができるので、むくみに悩む人にとって、この機能は有り難い限り。さらに上半身を少し上げて、足も少し上げると、腰が楽な姿勢になるのだそう。

さらに、目覚まし機能も内蔵。設定した時間になると、ゆっくり頭が持ち上がり、心地よく起きられるようになっているのです。音だけでは目覚められない人も、これなら起きやすくなるかも?

ベッドフレームにセンサーが設置されており、寝ているだけで睡眠記録が行われる

では、どうやって寝たタイミングや起きたタイミングを見ているのでしょうか。実は、マットレスの下にセンサーが設置されています。これが、寝返りや呼吸、心拍といった体動をチェックしているというのです。

そこから睡眠を分析し、アドバイスまでもらうことができます。これは便利!

Active Sleep MATTRESSに搭載されたエアセルに空気が送り込まれることで硬さを調整できる

まだまだ、このActive Sleep BEDには、驚きの機能があります。好みがなかなか見つからないと、多くの人を悩ませるマットレスの硬さもコントロールできてしまうのです。

頭から足まで6部位に分割して、10段階で設定できるため、体調や気分にあわせてマットレスの硬さを調整可能。実際、一番堅い状態から、一番柔らかい状態へと変化させてみたところ、驚くほど感触が変化。自分好みの寝心地探しは、日々の楽しみになりそうですね。

「最初にアプリで自分の身長体重などを登録すると、おすすめの硬さを教えてくれるレコメンド機能もありますよ」

家に帰って寝る時間が楽しみになる。そんなテクノロジーが詰まったベッドでした。

スリープテックで気軽に睡眠改善を! 続けることで睡眠の質の向上を目指そう

睡眠は日々のパフォーマンスや健康に深い影響を与える重要な要素です。だからこそ、十分な睡眠を確保できなかったり、睡眠の質に悩んでいる人は、ぜひスリープテックを活用して、睡眠改善の足がかりにしてみてみるのはいかがでしょうか。

睡眠のみならず、生活改善の助けとして、テクノロジーを活用して、ちょっと健康管理をより身近に、簡単に取り組んでみるのがおすすめです。ただし、寝付きが悪すぎるなど症状が深刻な場合は専門医へ相談をしてくださいね。

手軽に睡眠改善を続けることで生活全体の質を高めて、長期的にはWell-beingの向上を目指しましょう!

(執筆:ミノシマタカコ/編集:ノオト)

プロフィール
Well-being Matrix
Well-being Matrix編集部
人生100年時代の"しあわせのヒント"を発信する編集部。