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2024.02.05

2月22日は「にゃんにゃんにゃんの日」。

100年生活時代における「ペット」が私たちにもたらす豊かさや幸せとは?

はじめに 〜2月22日はなんと「にゃんにゃんにゃんの日」。100年生活時代における人間とペットのあり方を考える〜

2月には建国記念日やバレンタイン、富士山の日など、多くの祝日やイベントが訪れます。その中でも2月22日はにゃんとも特別な日。なんと、この日は猫の鳴き声にちなんで「にゃんにゃんにゃんの日」と定められているのです!愛らしい猫たちの鳴き声が、冬の寒さを和ませてくれるような気がします。 そこで、今回のレポートは猫から拡大し「ペット」という存在に焦点を当て、100年生活時代において「ペット」が私たちにもたらす豊かさや幸せについて考えていきたいと思います。 100年生活時代における不安。それはペットという存在が解決できるものなのか 私たちが2023年12月に実施した調査によると、「100年生活時代」と聞いた時に、約4人に1人の人が「社会的孤立や孤独感」に対して不安を持っていることが分かりました。こちらは「自分の健康・病気」、「お金」、「地球温暖化や自然災害など、環境問題」に次いで4番目に高い不安としてあがりました。 また、「趣味・生きがい」に対しても約5人に1人の人が不安を持っていました。100年生活時代における不安に対する解決法は何通りもあるかと思いますが、ペットの存在はその不安を解消し、精神的な安定をもたらす一つの解決策となりうるのではないでしょうか。

【100年生活時代における不安】

ペットの存在は私たちの人生に豊かさをもたらし、彩りも添える

実際に、ペットを飼っている人にペットを飼ってよかったと感じることについて聴取したところ、「ペットの存在が日常を豊かにしてくれた」や「ペットとの関係が心の豊かさをもたらしてくれた」という生きがいに関するスコアが高く挙がりました。ペット飼育は精神的な安定につながるようです。また、前述のスコアほど高くはないものの、「家族との会話が増えた」、「お散歩仲間など、友人やコミュニティとつながる機会が増えた」や「ペットが伴侶になり、孤独感が減った」など、孤独解消にもペットの存在はある程度寄与していることが分かりました。

【ペットを飼ってよかったと感じること】

さらなる分析のため、具体的な内容をアンケートで聞いてみると、下記のようなものがあがってきました。

  • 一人暮らしで家に帰ってくるとペットがいるという幸せ。 疲れた時などに癒してくれる存在。(20代女性)

  • いるだけで家族の共通の会話のきっかけになった。 特に自分に懐いてくれて一緒に寝たりできてよかった。(40代男性)

  • 子育ても一段落して夫と2人で過ごすことに不安があったか、ペットがいることでペットをつれて出かけることや会話が増えた。また、夫が出張などで留守の時に、ペットがいるので怖くないし寂しくないと感じるようになった。(40代女性)

  • 毎日に生きがいができた。世話をする存在がいることが自分の価値を高めたような気がして。(60代女性)

  • やはり散歩に行く事によって犬友さんが増えた事。 残念ながら14歳で亡くなってしまったけれども癒しをくれた。孤独から守ってくれた。 大切な家族でした。(60代女性)

  • 捨てられた子猫を保護し、(独身なので)唯一の家族として世話してきた。最後まで世話をし、悲しい別れがあり、荼毘にふして骨を拾う。今まで2匹。今三匹めが高齢になっている。人生のパートナーであり、同行者である。猫たちに感謝以外に何もない。向こうの世界に行っても、もう一度一緒に生活したい。(70代男性)

上記の抜粋は一部ですが、コメントを読み進めていくと、とにかくペットの飼育経験がある人にとって、そのペットが幸せ、癒やしや生きがいをもたらすかけがえのない存在ということが分かりました。独りのときには飼い主の良きパートナーとなり、二人のときは人間の会話を増やし、ペットという存在はたしかに私たちの生活を豊かに彩ってくれるのですね。

現在ペットを飼う人はそうではない人と比べると幸福度が高い!

また、「現在ペットを飼っている」と答えた人を分析してみました。そのとき、「あてはまるペットはいない/ペットを飼ったことがない」と答える人と比較し、「現在ペットを飼っている」と答えた人は現在の幸福度が高いことを発見しました。

【現在の幸福度】

改めて「ペット」の定義について考えてみる。生物だけでなく、非生物もペットとなりうる のか

ここまでペットという存在が私たちにもたらす豊かさについて考察してきました。しかし、ペットを「生物」と定義したとき、すべての人が動物を飼えるライフスタイル、住宅環境やアレルギーではないかと思います。

具体的な声をアンケートで聞いてみると、下記のようなものがあがってきました。

  • 生き物の命を今、この歳で預かることができないと考えたとき目の前に現れたのがaiboだった。歌や踊りで癒してくれる(70代女性)

  • 自分が年で面倒見られないから飼うことはあきらめる(80代女性)

  • 私の死後が、かわいそうで飼えない(80代男性)

このように、高齢や独居がハードルとなる場合もあるようです。

そこで、これからの「ペット」の定義について、改めて考えてみました。

これからは非生物もペットとして捉えることも当たり前になるのではないでしょうか。

実際に、1990年代に登場した犬型ロボットを起点に、「エンタテインメントロボット」市場が確立され、今日までも猫型ロボットやねずみ型ロボットなど、さまざまなロボットペットが発売され、たくさんの家に迎えられ、愛されてきました。少し前まで私の職場にもペンギンのようなペット型ロボットがおり、きゅるきゅると鳴く声や愛しい仕草はメンバーを癒やしてくれる存在でした。

また、ぬいぐるみをペットとして飼う人や、石に絵の具を塗るなど装飾を施し、それをペットとする「ペットロック」という欧米の文化などもあります。

さらに、私の暮らす東京都内で「たわし」にリードをつけ、散歩をしている人を何度か見たことがあります。最初に見たときは非常に驚きましたが、ハロウィンの時期は魔女の帽子、クリスマスの時期はトナカイの衣装など、季節に合わせて着せ替えられ、愛されている様子が伺えます。

このように、必ずしも呼吸をしていなくとも、また、自立的に動く「生物」でなく非生物であっても、私たちはペットとして愛することができるのではないでしょうか。

実際に、非生物をペットとして扱うことについてどのように考えるかという設問に対して、ご自身の飼育意向関係なく、54%の人が「非生物もペットとなりうる」と答えました。私自身、非生物もペットと捉えられると考えているものの、想像以上に多くの人も同じように捉えているということが分かりました。生物・非生物に関わらず、ペットのように愛情を注ぐ対象がいれば、人生100年時代がもっと幸せになるヒントとなるのではないでしょうか。

【非生物はペットになりうるか】

おわりに 〜人生100年時代にペットの存在がもたらすウェルビーイング〜

ペットの存在は、私たちの生活を豊かにし、ペットを飼っている人はそうではない人よりも幸福度も高いことが明らかになりました。これは、ペットとの絆が心身の健康に良い影響を与えていることを示唆しています。さらに、ペットの存在は100年生活時代における不安として挙がる社会的孤立解消や生きがいの不足を補い、精神的安定をもたらす役割も担うことができるのではないでしょうか。

また、興味深いことに、生物に限らず、非生物も「ペット」と捉える人が現在過半数となり、従来の生物に加え、新たなペットのあり方の兆しも見えました。多様性を尊重する時代への変化が、自分とは違う考えを許容することに寛容な文化をもたらしたのではないでしょうか。だからこそ、非生物であろうとペットと主張することも良しとされる時代なのかもしれません。

今後、寿命が延びて、長く生きるようになる時代において、ペットの存在が私たちの生活を豊かにし、未来を楽しみにする力を与えてくれるのではないでしょうか。

実際に生物をペットとして飼うことは難しくても、ロボット・ぬいぐるみ・たわしなど、新しいペットをお迎えし、あなたの100年生活に幸せをプラスしてみませんか?

[100年生活者調査〜ペット編〜]

■調査目的 :ペットの定義が拡張する時代に、ペットのもたらす幸せを把握する

■調査対象者 :20~80代の男女 728名 

■調査手法 :インターネットモニター調査

■調査日時 :2023年12月

■調査会社 :株式会社 H.M.マーケティングリサーチ

プロフィール
研究員
須藤 三貴
香港生まれ東京育ち。2018年より外資系エージェンシーにてストラテジックプラニングの経験を積み、2022年博報堂入社と同時にSIGNING出向。
世界中津々浦々から100年生活の幸福の兆しを探します。