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2024.03.01

人生100年時代の学びは、「役立つ」ではなく「楽しむ」を大切にしよう!

皆さんは学ぶことにどのようなイメージをおもちですか?この記事では、人生100年時代の幸せにつながる学びについて考えていきます。

要約すると

  • 人生100年時代、「役立つ」起点の「学問」ではなく「楽しさ」起点の「楽問」に注目

  • 学びを楽しんでいる人ほど幸福感が高い

  • 幸せにつながる、要注目の学びのテーマは「スマホ・パソコン」「料理」「歴史や格言」

人生100年時代に求められる学び

昨今、二人に一人が100歳を超えて生きる「人生100年時代」の到来が予想されています。

人生80年時代から人生100年時代に変化していく中で、人生のモデルを変化させていくべきだという声を多く聞くようになりました。

具体的には、人生80年時代が「教育・仕事・引退」の3つのステージからなっていたのに対し、人生100年時代は「会社勤め、フリーランス、学び直し、副業、起業、ボランティア」など、さまざまなステージを並行したり、行き来したりするマルチステージになるべきだと言われています。

なぜなら、人生が長くなることで、自身のスキルが時代遅れになったり、資産が不足したりするリスクが高まるためです。

【人生80年時代と人生100年時代の人生モデルの違い】

ステージの変化による自身や環境の変化に順応するためには、学びが重要です。その重要性は、ライフステージの変化が多くなる人生100年時代において一層増してきます。では、人生のモデルの変化に対して、学びはどのように変化するべきでしょうか。

人生80年時代はステージが明確に分かれており、またステージが変化するタイミングは見通しが立ちやすいものでした。そのため、今や次のステージの課題解決に「役立つ」知識やスキルを身に着ける「学問」が求められてきました。

一方で、人生100年時代はステージが明確に分かれず、またステージが変化するタイミングも見通しが立たない部分があります。そのような状況では、何が「役立つ」のかは予想できません。だからこそ、学ぶこと自体を楽しみ、知識やスキルの幅を広げることがより重要になってくるのではないでしょうか。

私たちは、「楽しさ」を起点に自分の知識やスキルの幅を広げる、人生100年時代の学びを「楽問」と名付けて提案したいと思います。

なぜ「楽問」が求められるのか

ここからはなぜ「楽問」が求められるのかについて考えていきます。100年生活者研究所のLINEアンケートにて、 “生涯を通じて学び続けることは重要”と回答された方は86.9%でした。その中で、“学び続けることを実践している”と回答された方は65.6%という結果になりました。およそ3人に1人は重要性を感じつつも実践することができていないということになります。

【生涯を通じて学び続けている方の割合は?】

生涯を通じて学び続けるモチベーションを生むためにはどのような学び方が必要なのでしょうか? 回答してくださった方の“新しい知識・スキルを学ぶことへのイメージ”の違いからポイントを考えてみます。

一つ目のポイントは、学びを楽しむことです。

“実践している”と回答された方からは “刺激と喜びが感じられる” (70代)など、「学びの楽しさ」に関する回答が多く見られました。一方で、“実践していない”と回答された方からは“難しい” (70代) “エネルギーがいる” (50代)など「学びの苦しさ」に関する回答が多く見られました。

二つ目のポイントは、定着させることにこだわらないことです。

“実践している”と回答された方からは “高齢になるに従い新しいことを身に着けることは難しくなるが、それに抗いたい” (50代)など、定着しないことを前提に学びに取り組んでいる回答が見られました。一方で、“実践していない”と回答された方からは、“覚えられるか不安” (60代)など定着しないことに不安を感じて学びに取り組めていない回答が見られました。

二つのポイントを踏まえると、学び続けられる人は「定着させること」にこだわりすぎず義務感にとらわれていないことが伺えます。だからこそ、「学ぶこと自体の楽しさ」をそのまま受け取ることができているのではないでしょうか。

定着にこだわらず楽しさを追求する「楽問」はモチベーションを生むためのポイントを押さえていることが分かりました。ただし、「楽問」のメリットはモチベーションに留まりません。

“一番最近学んだことは楽しかったですか?”という問いに対する回答に応じた幸福感の平均を見ると、学びを楽しんでいる人ほど幸福感が高いことが分かりました。楽しく学ぶことは幸せにもつながっていくのです。

【学びを楽しむことと幸福感の関係】

幸せにつながる「楽問」のテーマ

ここからは幸せにつながる「楽問」のテーマについて考えていきます。アンケートに回答してくださった方の“これまで学んだことの中で、最も幸せにつながっていると思うこと”から要注目のテーマを紹介します。

一つ目に紹介するテーマは「スマホやパソコン」です。

“日々色々な情報を得られる” (50代)、“インターネットをとおしてコミュニケーションの相手が増える” (70代)、“挑戦につながる出会いがある” (40代)といった理由があがりました。自分の知識やつながりを広げることにつながる学びは幸せを増やしてくれそうです。

次に紹介するテーマは「料理」です。

“美味しいものを食べられる” (60代)といったことに加えて、“健康につながる” (50代)、“家族が喜ぶ” (30代)といった理由があがりました。自分と同時に周りの方の幸せにもつながる学びは、より自分の幸せをより増やしてくれそうです。

最後に紹介するテーマは「歴史や格言」です。

“課題の解決に向けた道標になる” (50代)ことや“困難な状況における気持ちのゆとりになる” (70代)といった理由があがりました。長い人生では困難に直面することがあります。先人から得た学びを活かして苦しい状態をうまく脱することで、幸せを増やすことができそうです。

最後に

ここまで、人生100年時代の学びとして「楽問」を紹介してきました。少しでも多くの方が「楽問」に取り組まれ、より充実した日々を送られることを願っています。最後まで読んでくださりありがとうございました。

【調査概要】

■調査目的:人生100年時代の学びについての調査

■調査対象者:100年生活研究所 LINE会員 20~80代の男女 807名

■調査手法:LINEによるアンケート調査

■調査期間:2024年2月

プロフィール
研究員
本村 勇人
2021年博報堂入社。同年Hakuhodo DY MATRIXへ出向し、ビジネスプロデュース業務に従事しています。ザ・ウェルビーイングレポートVol.2の制作に携わるなど、well-beingな社会の実現に少しでも役立てるよう活動しています。みんなでワクワクする明日をつくることが目標です。