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2023.08.25

つながりを意識して幸せに一歩近づく。ポイントは「幸せバランス」

要約すると

  • 幸福度を高めるためには体・心・つながりをセットにして分析していくことが重要

  • 体・心・つながりによる幸せをバランス良く感じられる状態(=「幸せバランス」が取れた状態)だと幸福度が高まる可能性がある

  • 「幸せバランス」の偏りはつながりの状態と比べて体や心の状態を優先することにより生じている可能性がある

  • 「幸せバランス」の偏りはつながりの状態と比べて体や心の状態を優先することにより生じている可能性がある

皆さんは幸せにおいて一番大切なことは体・心・つながりどれだと思いますか。世界保健機関(WHO)憲章の前文に「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にある」とあります。(日本WHO協会仮訳)

実は、体・心・つながりはどれも同じくらい大切だと言われているのです。では、体・心・つながりのそれぞれに工夫をすれば幸福度を高めることができるのでしょうか。実は、バラバラに対策をしても不十分な可能性があります。なぜなら、体・心・つながりはお互いに影響しあっているからです。下の図は体・心・つながりの影響度を伺ったものです。体と心、心とつながり、つながりと体、いずれも70%以上の方がお互いに影響していると感じています。心は満たされるが体には負荷がかかってしまう「やけ食い」や、体は満たされるがつながりが薄れてしまう「平日疲れたから休日の遊びを断ってしまう」といったように日常には体・心・つながりの状態がお互いに影響する状況であふれています。このことから、幸福度を高めるためには体・心・つながりをセットにして分析していく必要があります。よって、今回は体・心・つながりをセットで考えて、幸福度を高めるためのヒントをお届けします。

【体・心・つながりの相互作用】

幸せのカギは「体」「心」「つながり」のバランス

下の図は幸せにおける「体の状態によって得られる幸せ」「心の状態によって得られる幸せ」「つながりの状態によって得られる幸せ」の割合、つまり幸せを感じる要因の割合を伺った結果です。幸せと感じている方※1、あまり幸せと感じていない方※2の二つのグループ について各項目の平均を比較しています。幸せと感じている方は、つながりの状態によって得られる幸せの割合が2.57とあまり幸せと感じていない方の2.32より大きくなっています。よって、体・心・つながりそれぞれによる幸せをバランス良く感じていることが分かります。一方、あまり幸せと感じていない方はつながりの状態による幸せの割合が減り、体の状態による幸せの割合が大きくなっています。この結果から、体・心・つながりによる幸せをバランス良く感じられる状態、つまり「幸せバランス」がとれた状態の方が全体として幸福度が高まる可能性が読み取れます。

※1 「あなたは全体として、どの程度幸せですか。『とても不幸せ』を0点、『とても幸せ』を10点とすると、何点くらいになると思いますか。」という問いに対して8点以上の回答をした方

※2 「あなたは全体として、どの程度幸せですか。『とても不幸せ』を0点、『とても幸せ』を10点とすると、何点くらいになると思いますか。」という問いに対して7点以下の回答をした方

【幸せを感じる要因】

「体」「心」「つながり」バランスはなぜ偏ってしまうのか

なぜ体・心・つながりのバランスは偏ってしまうのでしょうか。下の図は普段の生活における体・心・つながりの優先度を伺った結果です。体の状態と心の状態の優先度について、体の状態を優先する方が約62%と多いことが分かります。心の状態とつながりの状態の優先度について、心の状態を優先する方が約81%と多いことが分かります。また、つながりの状態と体の状態の優先度について、体の状態を優先する方が約77%と多いことが分かります。この結果から、つながりの状態に比べて体の状態・心の状態を優先する方が多い傾向にあると分かります。つながりの状態に比べて体の状態・心の状態を優先した結果、つながりによる幸せの割合が小さくなっている可能性があります。

【体・心・つながりの優先度】

つながりによる幸せを増やして、「幸せバランス」を整えよう

ここまで、幸せのカギは体・心・つながりのバランスにある可能性があること、これらのバランスの偏りはつながりの状態と比べて体や心の状態を優先することにより生じている可能性があることを紹介してきました。これらの結果を踏まえると、つながりの優先度を高めることができれば、体・心・つながりのバランスを整え、幸福度を高められることが分かります。とりわけ、体の元気がないとき、心の元気がないとき、または体・心どちらの元気もないときは、ついつながりの優先度を下げてしまうことが予想されます。最後に、そのような状態でもつながりによる幸せを増やすためのアイデアをご提案します。

体をいたわりながら、つながりによる幸せを増やすアイデア

友人や家族とのお出かけ先は極力体に負担がかからない行き先を選んでみませんか。映画や演劇など座って楽しめる芸術鑑賞をしたり、思いっきり足を伸ばして温泉や銭湯に浸かったり...体もつながりも満たされる時間になりそうです。

心をいたわりながら、つながりによる幸せを増やすアイデア

友人や家族とお出かけ先は極力心に負担がかからない行き先を選んでみませんか。季節の花や動物を見に行ったり、海や星といった自然に触れたり...心もつながりも満たされる時間になりそうです。

体も心もいたわりながら、つながりによる幸せを増やすアイデア

インターネットを活用して友人や家族とつながる時間を作ってみませんか。ビデオ通話で相手の顔を見ながらお互いの近況を話したり、趣味のゲームで協力プレイをしたり... 体も心もつながりも満たされる時間になりそうです。

いかがだったでしょうか。体や心の元気がないときでも、工夫次第でつながりの優先度を下げずに済むかもしれません。ぜひつながりによる幸せを増やして、「幸せバランス」を整えてみてください。少しでも皆さんの幸せにつながるヒントになっていれば幸いです。

【調査概要】

■調査名 :幸福度における体・心・つながりの影響に関する調査

■調査対象者 :100年生活者研究所 LINE会員 20~80代男女 507名

■調査手法 :LINEによるアンケート調査

■調査期間 :2023年8月

プロフィール
研究員
本村 勇人
2021年博報堂入社。同年Hakuhodo DY MATRIXへ出向し、ビジネスプロデュース業務に従事しています。ザ・ウェルビーイングレポートVol.2の制作に携わるなど、well-beingな社会の実現に少しでも役立てるよう活動しています。みんなでワクワクする明日をつくることが目標です。