幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所

文字サイズ
標準
メニュー
2023.10.12

食欲の秋に、幸せになれるレシピで幸福体質へ

食事から100年人生をハッピーに!

要約すると

  • 食事で幸せになった経験が「よくある」と回答した人の幸福度は7.42点(10点満点)で、ない人と比べ3点以上高かった

  • 「100歳まで生きたい」と思う人の割合も「よくある」人の方が、ない人と比べ約10ポイント高かった

  • 自由回答から食事で幸せを感じるシーンは5つに分類でき、これを意識することで幸せを感じやすい“幸福体質”になる可能性がある

秋は四季の中でも、食欲を刺激する季節として広く知られています。

収穫の季節でもあり、野菜や果物が豊かに育ち、多彩な味覚を楽しむ絶好の機会で、

食卓が美味しさで溢れます。

本レポートでは、食欲の秋に「食事」と「幸福」の関係について調べました。

食事が私たちの幸福感に与える影響や、日々の食事を通した「小さな幸せ」を感じ取る

方法を紹介します。

食欲の秋に、食事を通して100年人生がよりハッピーになる、

あなたらしい“幸せのレシピ”を見つけてみてください。

科学的に立証されている「食事」と「幸福」の関係

美味しいものを食べて幸せな気持ちになった。

こんな経験をしている人は多いのではないでしょうか。

事実、食事と幸福は科学的にも根拠があることが立証されています。

「食事が美味しかった」、「会話が弾んだ」など食卓での楽しいひとときが、

セロトニン、オキシトシン、ドーパミンといった脳内物質の放出を活発にし、

幸福感をもたらすと言われています。

ただし、日々の忙しい生活に追われ、食事の中に隠れている幸せな瞬間に気づかずに、

見逃してしまっている人も多いのではないでしょうか。

実にもったいないと思いませんか?

「小さな幸せ」を感じる “幸福体質”が、人生をよくするカギ

幸せには、「大きな幸せ」と「小さな幸せ」があると一般的に言われています。

「大きな幸せ」は高年収を得る、大きな仕事を獲得する、パートナーができた・・など、

大目標を達成したときに得られることを指します。

「小さな幸せ」は、天気が良くて気持ちがよい、体調がよい、ぐっすり寝られた・・など、

何気ない日常の出来事から得られることです。

「大きな幸せ」は得ることが難しいため、得たときの幸福感は非常に大きいですが、幸福感の逓減も早いそうです。また、次に大きな目標を達成しても同じような幸福感が得られにくいとも言われている。

一方、「小さな幸せ」は1回あたりの幸福感は小さいですが、

持続性があり、毎回同じような幸福感を得ることができるようです。

私たちが1万人を対象に実施した「ザ・ウェルビーイングレポート」でも、幸せを感じるのは

大きな達成案よりも、日常の小さな幸せの方が印象に強いという結果も出ています。

ザ・ウェルビーイングレポートvol1

つまり、日常生活に隠れている「小さな幸せ」を見逃すことなく、

それに感じ、気づく“幸福体質”に変われるかが重要となります。

100年人生を豊かにするには、「小さな幸せ」を見逃すことなく積み重ね、

幸せの総量を増やすことが大切なのだと思います。

では、どのようにすれば“幸福体質”になれるのでしょうか?

日々の食事には「小さな幸せ」がたくさん隠れている

日常の中に隠れる「小さな幸せ」を感じる“幸福体質”になるための手段として、

誰でも、簡単に、すぐ始められる方法として、日々の食事に注目しました。

事実、私たちが実施した調査においても、

実に9割を超える人が「食事で幸せになった経験がある」と回答しています。

調査で質問されると再認識しますが、当たり前すぎて見逃していしまっている人も多いのではないでしょうか?

【食事による幸せ経験の頻度】

※グラフ内の「ない」は、「あまりない」「ない」「全くない」の合計値です。

また、食事で幸せになった経験が「よくある」と回答した人ほど、「ある」「たまにある」「ない」人よりも、人生に対する幸福度が高くなっています。

【食事による幸せ経験頻度別の幸福度】

*幸福度を0点~10点で聞いた際の加重平均(「ない」は、「あまりない」「ない」「全くない」の合計 以下のグラフも同じ)

さらに、健康や仕事、人間関係、趣味・余暇活動など、生活のあらゆる面での満足度も高くなっています。

つまり、食事による「小さな幸せ」を積み重ね、幸せ総量を増やしている“幸福体質”な人ほど、

人生がよりハッピーになっている可能性が高いことを示唆しています。

【食事による幸せ経験頻度別の生活満足度】

*満足度を0点~10点で聞いた際の加重平均

食事で「小さな幸せ」を積み重ねている人ほど、100歳まで生きたい

食事による幸せ経験と100歳まで生きたい意向との相関をみると、

「食事で幸せになった経験が“よくある”」人ほど、100歳まで生きたいと思う人が多く、

相関関係が見られました。

毎日の食事を通して、上手に「小さな幸せ」を積み重ねている人は、日々の暮らしが楽しく、充実しているから、100歳生きたいという気持ちに繋がっているのだと思います。

【食事による幸せ経験頻度別 100歳まで生きたい度】

食事で幸せな経験が“よくある人”は、食事を「人とのつながりを生み、人生を楽しく、豊かにするもの」と捉える

では、「食事で幸せになった経験が“よくある人”」 と「幸せになった経験が“ない人”」では、

食事に対する考え方にどのような違いがあるのでしょうか?

「幸せになった経験が“ない人”」は食事を単に生きるための手段と捉えている傾向が強いです。

食事は栄養摂取や空腹の解消に過ぎません。

美味しささえも重視しない人が多くいます。

一方、 「食事を通して幸せになった経験が“よくある人”」は、

「家族で食べること」「会話を楽しむこと」「人との交流やコミュニケーションを楽しむこと」

「リラックスできること」「食事をする場所の雰囲気や環境」など、

コミュニケーション、つながり、気分転換など、食事は生きる上での必要不可欠なものであると同時に、人とのつながりを生み、人生を楽しく、豊かにしてくれるものと捉えています。

「食事で幸せになった経験が“よくある人”」においては、栄養摂取や空腹を満たすことも大切ですが、誰と食べるか、誰とつながるか、どう食べるか(笑顔、会話)、どこで食べるか・・などがより重要になっているようです。

【食事による幸せ経験頻度別 食事において重視すること】

どのような食事シーンで幸せを感じているのか?

どのような食事シーンで幸せを感じているのかを聞くと、

「家族や知人と食事ができた時」、「たまたま入ったお店が美味しかった、初めて食べた料理が美味しかったなど、偶然の出会い」、「料理が上手にできた/料理が褒められた時」、「ゆっくり食事の時間がつくれた時」、「不自由なく食事がとれている時」、「旬や地域のモノが食べられた時」・・・など、実に様々なシーンで幸せを感じていることがわかりました。

食欲の秋に「5つの幸せレシピ」を意識して“幸福体質”へ!

食事は生きる上で必要不可欠なものであると同時に、

人とのつながりを生み、人生を楽しく、豊かにしてくれるものです。

ただ、残念ながら、食事がもたらす幸せに気づかない人も多く、幸せを掴む機会を見逃している現状が浮き彫りになりました。

毎日必ずとる食事だからこそ、全ての人が食事から「小さな幸せ」を見つけられるようサポートができないか。

そこで最後に食事から幸せを引き出す5つの“幸せレシピ”をご紹介します。

どの“幸せレシピ”でも大丈夫です。

食べる前にレシピに書かれていることを意識すれば、きっと「小さな幸せ」を掴むことができるはずです。

毎日の食事からコツコツ幸せを積み重ねられる“幸福体質”に変わりましょう。

幸せレシピ➊

食や人への感謝の気持ちを持つ

小さな幸せを掴む第一歩として、「いただきます」「ごちそうさま」を口に出すことから始めてみませんか。

いつでも好きなときに好きな物を食べられることや、食べ物を通じて得られる栄養、元気に感謝しながらいただくことを習慣にする。日常の何気ない所作から、幸せを見つけるセンサーを高めましょう。

幸せレシピ➋

会いに行く、つながりに行く

食事を通して人とつながることも幸せを掴むポイントです。

家族や友人との食事は、コミュニケーションの場でもあり、互いを理解し絆を深める時間になります。また、新しい人との出会いも、食事を通してということが多いのではないでしょうか。

積極的に誰かとご飯を食べる機会をつくってみましょう。

幸せレシピ

セレンディピティを大切にする

たまたま入ったお店が美味しくてラッキーだった。こんな経験をしたことありませんか。

こうした予想外から生まれる発見・経験は幸福度が高まることが調査からも明らかになっています。失敗したくないからと毎日同じお店へ行ったり、毎度似た料理を食べるのではなく、たまには新しいお店や料理、食材に挑戦してみてください。幸運は予想外から生まれます。

幸せレシピ

自己肯定や自己承認が得られる行動をとる

旬な食材を使ってみる。新しい料理に挑戦してみる。料理を誰かにご馳走してみるなど、自己肯定感や自己承認を得られる行動をとりましょう。

料理が上手に出来上がったときの達成感や、料理を食べてくれた人の笑顔が、あなたを幸せに導きます。

幸せレシピ

ゆっくりと食事を食べる・楽しむ

食事をゆっくりとる習慣をつくりましょう。

忙しくなると食事をおろそかにしがちな人も多いと思います。

忙しい中でも、週に何回かは食事をのんびりとリラックスして楽しむ時間をつくりましょう。

心にゆとりや落ち着きをとり戻すことができ、日常の疲れやストレスから解放され幸せな気持ちになるはずです。

美味しいモノで溢れる食欲の秋は“幸せレシピ”を実践する絶好の機会です。

コロナも落ち着き、みんなで食事をとることも、美味しものを食べ歩くことも自由にできる日常が戻ってきました。

誰かを誘って美味しいモノを食べに行くもよし。旬の食材を使った新しい料理に挑戦するもよし。秋の味覚をゆっくり堪能するもよし。

あなたにできることから始めてみてください。

きっと、毎日が少しハッピーになり、その積み重ねが100年人生を豊かで楽しいものにしてくれるはずです。

[100年生活者調査〜食事編〜]

■調査目的 :人生100年時代の幸福度と食事の関係把握

■調査手法 :インターネットモニター調査

■調査日時 :2023年08月

■調査対象者 :20~80代の男女 728名 

■調査会社 :株式会社 H.M.マーケティングリサーチ

プロフィール
研究員
鈴木 良平
広告会社のマーケ部門に20年強在籍。
日常に隠された幸せのヒントを見つけ、発信し続けることで、
自身も含め、積極的に100年生きたいと思える人を増やしたい。